2010年03月28日

岬龍一郎著 「欲しがらない生き方」

印象に残った内容は下記の通り。

@単純で質素な生活ほど人間としてふさわしい生活であり、それによって魂(人格)は磨かれ、より強さを発揮する。進歩を求めて心を煩わせたり、外圧に翻弄されて、それに服従してはならぬ。それはすべからく精神の浪費なのだ。余分な富を持つと余分な物しか購入しない。魂が必要としているものを購入するのに、金銭などは必要ない。

A「正直」「知足」「勤勉」が人生の幸福の三原則。全ての徳は「正直」から始まる。「嘘をつくな」「約束を守れ」「不正をするな」「卑怯なことをするな」と、あらゆる道徳の源泉である。「知足」は身の程知らずの欲望は身を滅ぼすもとであり、心を惑わす元凶である。「勤勉」は楽をするより、より難しいほうを求めて、その喜びを知れということである。

Bどんなにご馳走を出されても、いつもカロリー過剰の状態では、それを心底うまいとは思えないし、ありあまる文明の利器のもとでは、もはやそれは宝でもなく、故障したときのみ文句をいう対象となっている。いうならば常に「ある」という状態が、不幸を呼ぶ原因をつくっているともいえる。これはなにも食物や物質だけではなく、情報の氾濫も同じことで、あまりにも多くの情報を与えられると、どれが本物か分からなくなるばかりか、やがては「考える力」「感じる能力」さえも失ってしまう。逆に言えば、人は「ない」ことによって、はじめて「ある」ことの有難さと感謝の心を持つことができ、不足したものに対処する知恵を生み出してくれる。

Cいかにこの世で地位、名誉、財産などを懸命に得たところで、それが社会のためにどれほど役にたっているというのか。自分を満足させているだけだろう。それを得るために争ったり、傷つけあったりと心を煩わせてストレスをためるだけではないのか。そんなものに執着するのは愚かなことだ。赤子のように無心に、水のように柔軟に、空気のように無為に、常に心を穏やかにして、争いごとを避け、みずからを誇らず、名利に惑わされず生きろ。すなわち私欲を捨て去り、無心になれば、自然の懐に抱かれたときのあの安らぎを得ることができる。無為、無心、無欲、謙譲、柔軟、素朴が老荘思想のキーワードである。

D「勉強するのは感動する心を磨くため」である。教養を身に付け、感受性が養われれば、今日一日の新聞を見ただけでも、社会は無数の劇場を与えてくれる。知的好奇心と感動する心があれば、金や名誉や地位に関係なく、人生を恒久的に愉しむことができる。

★★★★☆





欲しがらない生き方 -高等遊民のすすめ- (角川oneテーマ21 B 121)

欲しがらない生き方 -高等遊民のすすめ- (角川oneテーマ21 B 121)

  • 作者: 岬 龍一郎
  • 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
  • 発売日: 2009/06/10
  • メディア: 新書





posted by J・W・ハウエル at 01:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 心理学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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